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ビタミンDシリーズ 第3回『ビタミンDで男性も?!』

2025.6.6
お知らせ
生殖技術部門より

通院中の患者様へ

前回は、ビタミンDのサプリメント服用が胚のグレードに影響を及ぼす可能性があることをお伝えしました。
今回は、ビタミンDと精液データに関する文献を2つご紹介します。

Association of Vitamin D and Reproductive Hormones with Semen Parameters in Infertile Men. Cureus.2021 Apr 15;13(4):e14511.
こちらの文献は不妊治療施設を受診した男性患者224名を対象に、血液中のビタミンD濃度と精液データとの相関を調査しています。※1つ目のグラフをご覧ください。

【精液検査で異常がない群】が【精子数、運動率などで何か1つでも異常値がある群】よりもビタミンD濃度が高い結果となりました。

Impact of Vitamin D Supplementation on Semen Quality in Vitamin D-Deficient Infertile Males with Oligoasthenozoospermia. J Obstet Gynaecol India.2020 Feb;70(1):44-49.
こちらの文献は、乏精子症・精子無力症かつ血液中のビタミンD濃度が 30ng/mL未満の男性患者60名を対象とし、ビタミンDサプリメントの服用(60,000IU/週)を継続した3ヶ月後と6ヶ月後の各精液パラメータを比較しています。※2つ目のグラフをご覧ください。

サプリメント服用を継続することで、血液中のビタミンD濃度が有意に上昇しただけでなく、運動率と精子濃度が改善するという結果が示されています。

ヒトの精巣、前立腺などにおいてもビタミンDが作用するための受容体の存在が確認されており、女性のみならずビタミンDの重要性に対する認識を高める必要があると考えます。

次回は、第4回『ビタミンDはその後も…』をご紹介予定です。

◎ビタミンDシリーズ
第1回 『ビタミンDの基本的なこと』
https://www.ivfosaka.com/news/16103.html
第2回『ビタミンDと胚質』
https://www.ivfosaka.com/news/16109.html