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ビタミンDシリーズ 第2回『ビタミンDと胚質』

2025.5.30
お知らせ
生殖技術部門より

通院中の患者様へ

前回は、ビタミンDが体を健やかに保つうえで欠かせないビタミンであることをお伝えしました。

今回は、ビタミンDを補充することで体外受精での胚の質が向上するという文献をご紹介します。
Supplementation with vitamin D improves the embryo quality in in vitro fertilization (IVF) programs, independently of the patients’ basal vitamin D status Arch Gynecol Obstet 2024 Jun;309(6):2881-2890.

この論文の特徴は、ビタミンDの服用の必要のない群(>40ng/mL)に対しても、服用群と非服用群で比較している点にあります。
血液中のビタミンD濃度に関わらず、3ヶ月間ビタミンDサプリメントの服用により、胚のグレードが良くなることが示されています。ビタミンDは女性ホルモンに似た構造をしており、子宮や卵巣などの女性生殖器系にも作用し、黄体ホルモンと協力して卵胞の成長を制御しているともいわれています。卵胞液中のビタミンD濃度が高くなることで卵子の質の向上が期待できます。

次回は第3回『ビタミンDで男性も?!』をご紹介予定です。

◎ビタミンDシリーズ
第1回 『ビタミンDの基本的なこと』
https://www.ivfosaka.com/news/16103.html