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ビタミンDシリーズ 第1回『ビタミンDの基本的なこと』

2025.5.22
お知らせ
生殖技術部門より

通院中の患者様へ

ビタミンDは骨の成長を促進する作用や、血液中のカルシウム濃度を調節することで知られているビタミンです。またウイルスや細菌などの感染防御作用など免疫機能を高める働きも注目されています。さて、このビタミンDが妊活に必要な栄養素であることはご存知でしょうか。
ビタミンDは女性ホルモンや男性ホルモンに似た構造をしており、生殖系に作用して妊娠率に影響するという報告が散見されるようになりました。
そこで、ビタミンDに関する情報を4回に分けてお届けします。

第1回の今回は『ビタミンDの基本的なこと』についてご紹介します。

ビタミンDには2つの供給源があります。ひとつは日光中の紫外線照射により生成されるもの、もうひとつは食品から摂取されるものです。どちらも、小腸や肝臓でカルシウムとリンの吸収を促進し、骨の形成と成長を促します。また、細菌やウイルスに対し、免疫機能を発動させる働きもあります。
しかし、現代社会ではビタミンDが不足・欠乏する機会が増え、骨粗しょう症や骨軟化症、更には筋力低下などの発症のリスクが高くなっている現状があります。ビタミンDが不足・欠乏する主な原因は、日光浴の不足と言われています。浴びる日差しが強いものである必要はなく、日陰でも構いませんので、ベランダや窓際で日光浴するだけでも十分です。また、日光浴の習慣化に加えて、食生活の改善、サプリメントによる補給なども検討されることもお薦めします。但し、過剰摂取により、食欲不振、吐き気、筋力低下、神経過敏などを生じることがありますので、血液検査を実施しご自身の血液中の濃度を把握してから摂取をしてください。

次回以降は、このビタミンDがどのように妊娠に関わっているかを、下記の内容で文献を参考にしながらご紹介します。

第2回 『ビタミンDと胚質』
第3回 『ビタミンDで男性も?!』
第4回 『ビタミンDはその後も…』