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採血で貧血になることはあるの?

2023.9.11
お知らせ
生殖技術部門より

ホームページをご覧のみなさまへ

初診時の採血の際に「こんなにたくさん血を抜くの?!」と驚かれる方や、「貧血になりそう」と心配される方がいらっしゃいます。

結論から言うと、貧血にはなりません!

人間の体内に流れる血液の量は体重の約1/13(約8%)です。成人の場合、体内には約4~5Lの血液が流れています。さらに、体重60kgの人ではおよそ38mL、体重50kgの人では31.7mLの血液が毎日作られています。初診時に採血する血液量は多くても20mL(大さじ1杯分+小さじ1杯分)で、1日に作られる血液量より少量です。このため、採血で貧血になる事はありません。

貧血になることはありませんが、採血中や採血後に気分が悪くなったり、意識が遠くなる方がいらっしゃいます。これは「血管迷走神経反射」といい、自律神経が関係しています。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。「副交感神経」が優位になると、体がリラックスした状態になるため、心臓の動きは落ち着き、脈拍は下降し、呼吸は深く遅くなります。しかし、採血時の痛みや緊張などの精神的ストレス(採血が苦手だ・不安だ…など)を感じた時や、睡眠不足で疲れている時、「副交感神経」の働きが必要以上に活発になり、視界が暗くなる・吐き気・冷や汗・血の気が引くなどの症状が現れる場合があります。これが血管迷走神経反射です。

血管迷走神経反射の症状は横になることで改善されますが、気を失い転倒し頭をぶつけたりすると危険です。採血の途中に気分が悪くなる、意識が遠くなるようなご経験をされた方、またそのような経験はないが不安だと感じた方は、ベッドに横になりながら採血もできますので遠慮せずにお声がけください。