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妊娠判定時の採血について

2023.7.21
お知らせ
生殖技術部門より

ホームページをご覧のみなさまへ

当院では、血液中のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)値を測定して妊娠判定をしています。

今回は、妊娠判定の採血時に受けるご質問についてご紹介します。

①「尿検査ではダメですか?」

受精卵が子宮内膜に着床して妊娠が成立すると、hCGというホルモンが分泌されるようになります。妊娠検査薬は尿中hCGの有無をチェックしており、その濃度が基準値を超えると陽性と判定されます。しかし、妊娠が成立しhCGが分泌されていても、濃度が低いと判定は陰性となります。一方、血液検査は血中hCG濃度を測定しています。血液検査は尿検査よりhCGの検出感度が高く、尿検査では検出できない微量なhCGを測定できます。よって、より早期に妊娠を診断することができます。また血中hCG値から妊娠経過を予測することができます。その値が低いときは、流産や異所性妊娠の可能性があります。

②「生理が来たのですが採血は必要ですか?」

妊娠判定までの間に出血があった場合、「月経が来たので、もう妊娠判定の採血は必要ない」と思われるかもしれません。さて、それは本当に月経の出血でしょうか?
受精卵が子宮内膜に着床する時に起こる着床出血という出血があります。着床出血がみられる時期は妊娠4週目頃、すなわち月経開始予定日と同時期にあたるので、血液中のhCGの値を確認して出血の原因を見極める必要があります。

妊娠の自覚症状のない時期から血液検査で正確なhCG値を測定し、経過を把握・管理していくことが重要です。