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体外受精の最終段階『胚移植』時の尿の調整について

2020.12.17
お知らせ
生殖技術部門より

通院中の患者様へ

胚移植前に『尿を溜めておいてください』と説明を受けるかと思います。
胚移植の時に尿が溜まっていると良い理由が2つあります。今回はその理由をご説明します。

*超音波で移植する位置を確認しやすくする*
胚移植の時には、お腹の上から超音波をあてて移植する位置を決定します。この超音波は、水をとおすことで鮮明な画像が得やすくなります。そのため、膀胱に尿を溜めて超音波をあてることで、膀胱の後ろにある子宮や子宮内膜が確認しやすくなります。

*移植胚をスムーズにお戻しする*
子宮は前屈といってお腹の方に傾いていることが多く、その傾きがきついと移植に使用するカテーテルがつっかかってしまうことがあります。尿が溜まり膨らんだ膀胱が、子宮を背中側に押し倒すことで、子宮の角度がなだらかになり移植カテーテルが入りやすくなります。移植カテーテルが入りやすいと良い位置にスムーズに胚をお戻しすることができます。

緊張されている中、尿量を調節することはなかなか難しいかとは思います。
それでも、胚を良い位置にスムーズにお戻しするために少し頑張ってみてください。
(子宮の向きや移植方法により、全ての方が対象となるわけではありません。)

 

胚移植についてはYouTubeの解説動画もご覧ください。
https://youtu.be/Sg7k7n2am10