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検査室から、妊娠・出産に大切な“鉄”についてご紹介します

2020.11.27
お知らせ
生殖技術部門より

通院中の患者様へ

“鉄”は体内にどれくらい存在しているかご存知ですか?

約3~4gといわれています。体内では、鉄の70%がヘモグロビンとして、残りの30%がフェリチン呼ばれる貯蔵鉄として存在しています。鉄は、1日に約1mg失われます。それに加えて、女性は月経があるため、1ヶ月で約60mgの鉄が失われている計算になります。

鉄と妊娠には深い関係があります。鉄には、子宮内膜に粘膜を作ることで内膜を厚くしたり、卵子の老化を防ぐ大切な役割があります。そして妊娠成立後には、胎盤への血液供給、胎児の育成にも使われ、必要な鉄分量は更に増加します。そのため、鉄が不足することは妊娠・出産において好ましくない状態です。

当院では通院初期の血液検査で血球検査を受けていただいています。ヘモグロビン(Hb)値(正常値:11.3-15.2g/dL)と、MCV値を確認してみてください。赤血球の平均的な大きさを示すMCV値が80未満の場合、“鉄欠乏性貧血”の可能性があります。また、血液検査の結果が正常であっても、息切れや疲れやすさがある場合には隠れ貧血の可能性もありますので、心当たりのある方は一度医師にご相談されることをお勧めします。