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甲状腺ホルモン検査について

2023.3.14
お知らせ
生殖技術部門より

ホームページをご覧のみなさまへ

当院では、患者様に甲状腺ホルモンの検査を実施しています。
甲状腺機能障害は妊娠可能な年齢の女性に多く、妊娠や胎児の成長に深く関わっていることが知られています。

まず、甲状腺機能が亢進すると排卵までの日数が短くなったり、逆に低下すると卵胞が十分に発達しない状態で無排卵月経になったりと、甲状腺ホルモンの分泌が乱れることで月経不順の原因となることがあります。
また、甲状腺機能低下症では流産率が高くなるといわれています。
更には、甲状腺ホルモンは胎児の脳の分化や神経系の発達に欠かせないことも分かっています。

妊娠初期は胎児に必要な甲状腺ホルモンは胎盤からの供給に依存しています。
中期に入っても20週頃までは胎児自身が十分な甲状腺ホルモンを作ることができないため、やはり胎盤からの供給が必要です。
その為、妊娠中には甲状腺ホルモンの需要は高くなります。
しかし、分泌量が増加し過ぎると、胎児の甲状腺にも影響を与えてしまう可能性も出てくるため、妊娠中の甲状腺ホルモンの管理は重要になってきます。

甲状腺機能に問題がある場合でも、定期的に甲状腺機能検査を受け、医師から処方された薬を服用することで、赤ちゃんの健康を守ることができます。
不妊治療を進める前に、妊娠と深く関わりのある甲状腺機能検査を受け、必要に応じて甲状腺専門医と連携していくことが重要です。