部門紹介

生殖技術部門

我々、生殖技術部門は卵子と精子を受精させ子宮に戻すまで、すなわち配偶子(卵と精子のことを言います)や受精卵が体外で過ごす全ての期間に対して責任を負っています。そして、実際にこの仕事を行うのが胚培養士です。(胚培養士の詳しいお仕事はこちらへ)胚培養士のレベルが体外受精の成績を左右すると言っても過言ではありません。レベルの高いクリニックには必ず質の高い胚培養士が在籍し、しっかりとした体外受精を行う培養室の管理がされています。

日本では、胚培養士の教育に統一した基準は設けられておらず、胚培養士の教育は施設間で大きな差があります。当院が他施設の培養室と差別化できるところは、日本人で唯一アメリカの体外受精培養室の管理責任者の資格を持つ院長の福田と、管理胚培養士である生殖技術部門長の水野が、協力して患者さまに質の高い生殖補助医療技術を提供するとともに、胚培養士の教育や培養室管理を行い、質の高い胚培養士の育成に努めていることです。安心してお越しください。(管理胚培養士とは日本卵子学会および日本生殖医学会が認定する資格で、培養室の設計、維持及び管理、胚培養士の指導並びに臨床医師への適切な助言などをおこないます。生殖補助医療に関する高度な知識と能力並びに倫理観が求められ、全国で水野を含め、いまだ数十名しか認定されておりません。関西で管理胚培養士が在籍するクリニックは極少数です。)

生殖技術部門のスタッフは世界最先端の胚培養技術を維持するため、国内のみならず海外の主要関連学会に参加し、研鑽を重ねております。また当院スタッフの研究発表は多くの方から好評を得ております。

2020年度 生殖技術部門の研究発表

ESHRE 36th Annual Meeting(2020年6月5~8日)

  • Importance of long-term follow-up of ART derived babies not only for monitoring physical development, but also to detect latent congenital malformation

第61回日本卵子学会学術集会(2020年10月8~21日)

  • 真空断熱が損なわれた凍結胚の保存タンクにおける胚の保存効果継続時間のタンク容量による違い

ASRM 2020 Scientific Congress and Expo(2020年10月17~21日)

  • Time-restricted feeding of normal diet increases body weight and impairs the developmental competence of oocytes after IVF in female mice (Oral presentation)
  • Oviductal patency of women affects significant influences on clinical outcome of ART treatment (Oral presentation)
  • Research on the relationship between the capacity of embryo storage tanks and the estimated embryo salvage period when tanks are damaged

第23回日本IVF学会学術集会(2020年10月31日~11月1日)

  • タイムラプスインキュベーターの導入により培養室業務の負担が減るのか
  • 凍結タンクの容量が大きいほど真空漏れを起こしても保存効果を長く保つことができる
  • レルゴリクスはARTにおいてセトロレリクスの代替薬となり得るか

第65回日本生殖医学会(2020年12月3日~12月23日)

  • 反復嚢胞穿刺吸引術とジェノゲスト併用療法が著効したと考えられる両側チョコレート嚢胞を合併した反復ART不成功例
  • 初期流産における流産時の状況と絨毛染色体の母体混入の可能性について

-学術論文-

  • A novel embryo quality scoring system to compare groups of embryos at different developmental stages (J Assist Reprod Genet. 2021 Mar 1. doi: 10.1007/s10815-021-02117-0.)