院長の福田を中心として、近年増加しているPCOを有する患者様を対象に、診断、薬物治療、排卵誘発から卵巣過剰刺激のない体外受精のひとつであるIVMまでを適切に実施します。なお、IVMは当院が日本ではじめて妊娠出産に成功し、世界のリーダーとして治療に取り組んでいます。
これらの専門外来では、医師を中心に薬剤師、胚培養士、研究職員らがチームを組んで治療にあたります。
多嚢胞性卵巣症候群の卵巣の超音波写真
未熟卵体外受精とは、小さな卵胞から未熟卵子を採取し、体外で一定時間培養し、成熟した卵子を受精させ、得られた受精卵(胚)を子宮内に移植する方法です。
通常の体外受精では、排卵誘発剤を用いた卵巣刺激を行うことにより一度の採卵で多くの卵子を回収できる反面、卵巣刺激の副作用(卵巣過剰刺激症候群:OHSS)で卵巣が腫れたり腹水がたまったりするリスクがあります。時には入院が必要となったり、脳こうそくなどの重症合併症を起こしたりします。特に多嚢胞性卵巣(PCO)の患者様ではOHSSの危険性が高くなります。未熟卵体外受精(IVM-IVF)ではOHSSの危険性がまったくないばかりでなく、注射をほとんど行わないため痛みも少なく、その費用も軽減します。IVF大阪クリニックではPCOの患者様の体外受精治療の第一選択としています。
IVF大阪クリニックは未熟卵体外受精の世界の主要な実施施設の一つであり、海外の大学と共同研究を行い、培養環境の工夫や卵子の成熟率や妊娠率を高める研究をすすめています。
写真1
写真2
一般には多嚢胞性卵巣(たのうほうせいらんそう)の方が向いているといわれています。多嚢胞性卵巣の方は卵巣過剰刺激症候群の危険性が高いため、この方法を選択することがあります。また、採卵できる数も多い傾向にあります。 当クリニックでは未熟卵体外受精で、日本で始めての妊娠・出産例を報告し大きく取り上げられました。また最近では、培養環境を工夫し、卵子の成熟率や妊娠率を高める研究をすすめています。