診療のご案内

着床障害外来

■はじめに

不妊症治療はこの10年長足の進歩を遂げ、体外受精や顕微授精などの技術(生殖補助医療)により今まで妊娠を望めなかったケースでも妊娠が可能となりました。その一方で、受精卵は得られているのにもかかわらず、複数回の体外受精治療を受けても妊娠できない、すなわち着床障害のため妊娠できないケースが増加してきました。
そこで、当クリニックではこのような着床障害の方のために、着床障害の系統的な検査をおこない、その原因を明らかにし、それに対処するための専門外来を立ち上げました。当外来では着床障害の原因となり得るすべての要因、すなわち胚に関する要因(精子および卵子を含む)、女性側の受け入れ要因(子宮因子、免疫因子)、ご夫婦の組み合わせ要因(同種免疫因子)、染色体関連さらには全身的要因(心理、栄養)について詳細な検査をおこない、異常が発見されればそれに対処して治療を進めてゆきます。
着床障害はその要因が多岐にわたるため医師(福田、杉原)、胚培養士(水野)、看護師(田邊、宮喜、辻川、森脇)および栄養カウンセラー(榮村)心理カウンセラー(荻野)からなる着床障害外来チームとして患者様の治療にあたります。
着床障害のために妊娠できない方、体外受精を何度受けても妊娠できない方、また体外受精治療を受ける前に着床系の検査を希望される方は是非一度外来を受診ください。

■着床障害の検査項目

1 基本検査 まず月経を含めた全身状態を見て着床障害の原因を検索します。
・問診
・基礎体温
・貧血/生化学検査
2 胚因子 胚(受精卵)の質にかかわる活性酸素濃度を調べるとともに、精子、卵子、胚移植の再評価を行います。
・血中活性酸素濃度測定
・精子受精能、卵子、移植胚のgrade の再評価など
3 子宮卵管因子 着床の舞台となる子宮自体に異常がないか調べます。
・子宮形態の検査:超音波検査、子宮卵管造影検査
・子宮内膜の検査:子宮鏡、子宮内膜組織診
4 免疫因子 自己免疫疾患や血液凝固異常があると胚を養う子宮の血管が詰まると言われています。
・抗リン脂質抗体、ループスアンチコアグラント、抗核抗体など
・血液凝固検査:血小板凝集能、PT、aPTT、第12因子
5 同種免疫因子 御夫婦の組織型の相性が悪いと胚を異物と勘違いし、着床しにくくなります。
・リンパ球混合培養検査(MLC)
・ナチュラルキラー細胞活性
6 染色体因子 着床障害の原因となる染色体異常がないか調べます。
・夫婦染色体検査
7 内分泌因子 着床障害の原因となるホルモン異常がないか調べます。
・プロラクチン、黄体ホルモン、甲状腺ホルモン、血中インスリン値など
8 栄養カウンセリング 毎日の食事やライフスタイルを通して、着床しにくい栄養状態がないか調べます。
9 心理カウンセリング 日常生活や不妊治療に伴う悩み、ストレスにより着床が妨げられている場合もあります。

■外来子宮鏡検査

上記着床障害の検査項目3、子宮卵管因子に関し、子宮内腔、内膜の検査として、子宮鏡検査があります。これは着床の舞台となる子宮の内腔、内膜自体に異常がないか内視鏡を用いて、子宮内を肉眼的に観察する検査です。
直径3mmほどの細い内視鏡を子宮口から挿入し、子宮内腔を観察します。頚管部、体部、両側卵管口を確認し、内腔にポリープ、筋腫などの異物がないか、内腔の形態異常がないか、月経周期に合った子宮内膜の状態かなどを観察します。
現在毎週水曜日の午前中に着床障害外来の医師(杉原)、看護師(田邊、宮喜、辻川、森脇)で専門的に行っております。麻酔、点滴、頚管拡張は必要ありません。当日はモニターで説明を受けながら子宮の中を見ることができ、終了後すぐに説明を聞くことができます。もちろん最新の細くて、やわらかいスコープを用いるため、痛みはほとんどありません。内腔観察時間は30秒ほどです。外来子宮鏡で異常が発見されれば、後日治療が必要となることがあります。

2011年4月より外来子宮鏡の検査枠を増設しました!

水曜日の午前中に行っている外来子宮鏡検査は、患者様が急増しているため、予約待ちで多数の方々にご迷惑をおかけしておりました。この度、最新型の子宮鏡をもう一機増やし、検査枠を水曜日の午前、木曜日の午後、1日5件に拡げました。これによりさらに多くの患者様に検査を受けていただくことが可能になりました。
現在までに700名近くの方が子宮鏡検査を受けられており、その約40%の方に何らかの異常が見つかっております(ポリープ52%、筋腫3%、内腔奇形22%、その他22%)。そして後日治療を受けられた方の53%がその後妊娠に至っております。着床障害検査の方、超音波で子宮内腔の異常を指摘された方のみならず、月経量に問題があるのではと思われている方、不正出血がある方など、月経に関し心配事がある全ての方に子宮鏡検査をお薦めいたします。

■他院で治療中の皆様、遠方の皆様へ

当クリニックでは体外受精にて良好胚は得られているにもかかわらず、複数回の胚移植にても着床、妊娠できない患者様には着床障害検査を受けていただき、異常が認められれば、その治療を行っております。
もちろん体外受精を行う前にすべての検査を済ませておきたいという方はご希望があれば行います。
これまでこの検査を受けられた方の約80%に何らかの異常が認められており、後日治療を受けられた方の50%がその後妊娠に至っております。
このことから着床の要因は、移植する胚の質のみならず、子宮因子、(同種)免疫因子なども少なからず関係していることがうかがえます。

現在、他院で治療中や遠方の皆様の着床障害検査の問い合わせが大変増えてきております。

  • 他院で良好胚を複数回胚移植しているが着床しない
  • 院先では着床障害検査は行っていない
  • 遠方で着床障害検査を受けたいが、通院が心配

当クリニックでは着床障害検査のみを受けられる方も多数いらっしゃいます。 遠方の方では、なるべく通院回数が少なくすむ検査スケジュールもご案内しております。現在の治療に行き詰っている方、遠方で通院が心配な方も是非一度お問い合わせください。

■来院までの流れ

  • 0120-524124+アナウンス211 (06-4308-8824+アナウンス211)までお電話ください。
    着床障害外来担当看護師( タナベ、ミヤキ、ツジカワ、モリワキ)におつなぎいたします。
  • これまでの治療歴、検査結果をお聞きします。 着床障害検査の概要(各項目、費用など)をご説明した上で、受けていただく検査をご相談します。遠方の方は通院回数がなるべく少なくすむ検査スケジュールをご相談させていただきます。
  • 予約していただくことにになればFAXにて簡単な質問にお答えしていただきます。(FAXがご自宅にない方は口頭でお聞きします)
  • 検査当日は感染症の検査データが必要ですのであらかじめご用意ください。
    ・TPHA、RPR(梅毒)
    ・HBs(B型肝炎)、HCV(C型肝炎)
    ・HIV(エイズ)
    ・クラミジア抗原(膣分泌液より採取)

    期限は1年以内のものです
  • 検査当日は午前中診察を受けていただいた上で検査となります。
    子宮鏡検査は施行後、医師より所見の説明があります。
    採血結果に関しては結果が出るまで約1ヶ月程かかります。
    結果説明は原則来院していただいた上で行います。

何かご不明な点があれば上記の電話までお気軽にご連絡ください。
皆様の来院を心よりお待ちしております。



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